目次
ほとんどの口臭の原因は、
バクテリアによるものです。
口臭の主な原因は、口のなかに住み着いたバクテリアです。その数は、よく歯みがきする人でも1000~2000億個、あまり歯みがきをしない人だと5000~6000億個、ほとんど歯みがきしない人に至っては1兆個に達するともいわれています。
バクテリアは、私たちの身体に病原菌が侵入するのを防いでくれるなど、健康に生きる上で欠かせない役割を担っています。一方で、その活動の副産物として発生するのが「揮発性硫化化合物」というガスです。
このガスは、野菜の腐ったようなニオイのする「メチルメルカプタン」、卵の腐ったようなニオイのする「硫化水素」、生ゴミのようなニオイのする「ジメチルサルファイド」などから構成されます。これらが混じり合って生まれるニオイが口臭の正体です。
口臭に悩む人の口内には、そうでない人の口内に比べて多くのバクテリアが存在します。つまり口内のバクテリアの数をいかに抑えるかが、口臭対策の最大のポイントとなります。
起床時、空腹時、緊張時には
気をつけましょう。
バクテリアが原因の口臭を「生理的口臭」といいます。生理的口臭は、バクテリアを増殖させる要因に応じて、いくつかの種類に分類できます。
代表的なものが、睡眠中に口内にバクテリアが増殖することで引き起こされる「起床時口臭」です。ほかにも唾液の分泌量が低下することに伴う口臭に、「空腹時口臭」「緊張時口臭」「口呼吸に伴う口臭」があります。
「加齢」も口臭の要因のひとつ。口内の唾液量が25歳頃をピークに減少するためです。さらに老齢化が進むと、ニオイを伴う菌の比率は増します。女性の場合は、生理中や妊娠時に口臭が増すことも。ホルモンバランスが変化し、一部のバクテリアが増殖するためです。
-
歯ブラシをしっかりしよう!
歯ブラシで取り除ける歯垢は、全体の60パーセントしか掃除できません。
虫歯や歯周病が原因の口臭を防ぐためには、日々の歯みがきが欠かせません。ただし虫歯や歯周病をしっかり予防しようと思ったら、歯ブラシでの歯みがきでは不十分です。歯ブラシだけで取り除ける歯と歯の隙間の「歯垢(バクテリアの塊)」は、全体の約60パーセントに留まります。そこで有効なのがデンタルフロスです。歯ブラシとデンタルフロスを組み合わせれば、80パーセント以上の歯垢を取り除けます。さらに歯科での定期検診を受けていれば虫歯・歯周病対策は万全です。
-
ニオイの発生源は舌であるという事実。
ていねいな歯みがきで、虫歯や歯周病を原因とする口臭は予防できますが、口内のバクテリアが食べかすなどを分解して不快なニオイをまき散らす「生理的口臭」の対策としては十分とはいえません。生理的口臭を防ぐには、餌となる食べかすをゼロに近づけることに加えて、バクテリアの数を抑えることがポイント。ところが歯みがきで取り除けるバクテリアは一部に留まります。なぜならその多くは「歯」ではなく「舌」に棲みついているからです。
舌の表面には「舌乳頭」という微細な突起が、たくさんあります。この突起と突起の隙間こそが、バクテリアのお家です。ここにバクテリアの餌となる食べかす、剥離した舌の上皮細胞、代謝産物がこびりついてできたものを「舌苔(ぜったい)」と呼びます。鏡で自分の舌を見てください。舌の表面を白く覆っているものが、舌苔です。中央がやや白っぽくなっている程度であれば問題はありませんが、もし舌全体が真っ白なら、そこから不快なニオイを発している危険性があります。
-
マウスウォッシュで手軽に「舌ケア」を。
体調が悪いとき。不規則な生活が続いているとき。アルコールや甘味飲料、刺激物を大量に摂取したとき。こういったときには舌苔が厚くなり、そこに棲みついたバクテリアも増殖しやすいので注意が必要です。また、口呼吸や緊張の持続などにより唾液が不足して、口が乾燥し続けると、舌苔とバクテリアはさらに増えていきます。
舌のケアにおすすめなのが、マウスウォッシュです。マウスウォッシュで口をゆすげば、舌に付着している食べかすも洗い流せる上に、舌の深層に隠れて住んでいるバクテリアの増殖も抑えられます。口内が潤えば、口の乾きによる口臭の予防にも効果的です。
マウスウォッシュにはさまざまな種類がありますが、口内の乾燥の原因となるアルコールを含むものは避けましょう。